田ケ原 恵美
- Emi Tagahara -
浜松町Innovation Culture Cafe 見習い店員
目次
こんにちは!浜カフェ見習い店員の田ケ原 恵美です。
スタートアップ業界に数年身を置いてきた中で、その魅力や可能性をもっと伝えたいと感じ、このたびINNOVATIAでスタートアップを紹介する連載をスタートすることになりました。
第一弾は、いま、品種開発とテクノロジーを掛け合わせたアグリテックの分野で世界中から熱い視線を浴びている企業・「CULTA(カルタ)」に注目します。
同社は「新品種で農業のグローバルリーディングカンパニー」を目指し、日本・東南アジアでの生産販売を着実に進めているスタートアップ企業です。
一体、どのような技術が注目されているのでしょうか?
従来、農業には「適地適作」という考え方がありました。土地の気候に合った作物を作るべきという原則です。しかし、気候変動によって前提となる環境そのものが変化し続ける現在、この考え方は通用しなくなりつつあります。
こうした環境の中で注目されているのが、「CULTA」の高速育種技術です。従来は数十年単位で時間を要していた品種開発を、なんと約5倍のスピードで進めることができるんだとか。今年は量産初年度として、CULTA自社サイトを中心に販売を開始。
さらに開発した独自品種はマレーシアでの生産事業を開始しており、シンガポールなど東南アジア周辺国からの引き合いも増加しているそうです。
直近では約7億円の資金調達の発表に加え、ICCサミット「スタートアップ・カタパルト」で優勝。フランスのマクロン大統領来日時の食事に自社品種「NADESHIKO DROPS」が採用されるなど、主力をプロダクトからビジネスモデルまで国内外で評価を獲得しています。
そんな同社が現在注力しているのが、いちごの品種開発です。

通常10年程度かかるとされる品種開発をわずか2年で実現するだけでなく、輸送に適した特性を備えているんです。その特徴は、長距離輸送でも品質が維持される「硬さ」と「甘さ」の両立。主力品種である「SAKURA DROPS」は、甘さだけでなく、耐暑性や輸送耐性を備えることで、これまでやわらかく繊細で難しかったいちごのグローバル市場への展開を前提とした設計になっています。
いちごの存在が気になっていた私は、以前、CULTAの品種の一つである「YUKIMI DROPS」を注文し、いただいたことがあります。
高級フルーツ店や百貨店で見かける白いちごは、「高価で珍しい存在」という印象が強く、実際に口にしたことがある人はまだ多くないかもしれません。私自身も、それまで食べた経験はありませんでした。
日本の白いちごは、海外、特に東南アジアや中華圏において、赤いちごの1.5〜2倍で取引される高付加価値商品です。一方で、「見た目の珍しさに対して、味の評価は相対的に高くない」といった声もあったことに注目し、新品種「YUKIMI DROPS」の開発を進めたんだそうです。

実際に口にしてみると、パリッとした食感とジューシーさが印象的で、従来いちごに抱いていたイメージとは違い驚きました。果汁感たっぷりで、粒も大きく満足感も高かったです。※粒の大きさなどは時期による可能性があります
最近ではホップの屋内栽培技術の開発をキリンホールディングスと、サツマイモの育種に関しての共同研究をカネコ種苗と連携し進めているそうです。特定の作物にとどまらず、技術の横展開を進めている点もCULTAの特徴ですね。
今年は量産初年度ですが、国内外の生産パートナーとの協業を進めており、来年には生産量を5倍、再来年には20倍まで拡大していく計画です。ありがたいことに、すでに多くのお問い合わせをいただいており、来シーズン以降は、国内のスーパーや小売店などでもCULTA品種を見かけていただく機会が増えていくと思いますので、ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです。
またCULTAでは採用も強化しています。日本の品種開発や栽培技術は世界トップレベルだと考えています。その技術と品質を、日本国内だけでなく世界へ届ける「次世代のフルーツブランド」として、一緒に作っていく仲間をお待ちしております。
これからのさらなる活躍に期待したいです!